地崎東川の個人別給与精算表(4)

東川事業所は、2回にわたって強制連行を行った。1回目の移入では、船中および大阪上陸時に多くの死亡者を出したため、その人員補充のため、2回目の移入を1カ月後に行ったのである。魏振川は、東川のなかで労働日数が一番多いことから、第1次の移入として差支えはないであろう。

第1次隊の264人が東川に到着したのは9月28日で、事業場報告書によれば9月末日まで中国隊を働かせずに休ませた。事業所は当初、訓練期間を4410月1日から1130日までの61日間と定めていたが、「魏振川」の訓練期間における労働日数が80日であることから、実際には訓練期間を1219日もしくはその数日後までに延長している。これは第2次隊の訓練終了と同じにしたからではないか。第2次隊は訓練期間を20日程度に短縮したのだろう。訓練期間には、生活習慣や作業で必要な日本語を覚えるなどの教育もおこなうことにしていたが、工事の進捗も考えた措置だっただろう。