名古屋―平岸連送(6)

二隊が上野に到着したのは、26日深夜である。そのため上野で1泊させ、27日午前940分に汽車に乗り、青森に向かった。

●地崎組労務部あて 二タイウエノチャク二二ジノタメヨテイノコウドウトレズ 二七ヒ九ジ四〇フンウエノハツトナリ アオモリ二八ヒ七ジ一二フンチャクトナル 二タイ三タイトモニナルカモシレヌ ドウナイダイヤノヘンコウイカニナルヤ ホンヒノブンダイヤハトリケシサレルモ二八ヒノダイヤヲ二タイニシ 三タイハ二九ヒアラタメヘンセイコイタシ 三タイノレンラクアリシダイシラス 二タイ三タイトモニナリタルトキハ二タイヲタタセ三タイハ一パクセシメシレイヲマツウナヘンコウ ア

 (二隊上野着22時のため予定の行動とれず27日9時40分上野発となり、青森28712分着となる。二隊三隊共になるかもしれぬ。道内ダイヤ変更いかになるや。本日の分ダイヤ取り消しされるも28日のダイヤを二隊にし、三隊は29日改め編成請いたし。三隊の連絡あり次第知らす。二隊三隊共になりたるときは二隊を発たせ三隊は一泊せしめ指令を待つ。ウナ返請う。荒金)

 二隊、三隊とも青森には28日に到着した。乗船は、二隊が28日、三隊は29日となった。

 ●地崎組労務部あて ホンヒ二タイ三タイトモニアオモリチャク 二タイ一八ジフネ 三タイアス一八ジフネニテタツ ジコシヤナシ ア

 (本日2隊3隊共に青森着 2隊18時船 3隊明日18時船にて発つ 事故者なし 荒金)

 平岸への北海道での移動は、札鉄の指示により、二隊は函館―室蘭―滝川コースで、2915時着である。

 ●地崎組連絡事務所あて 二タイベント ヨルハコダテ アサヒカシムロラン ヒルタキカワ ノテハイタノム 三タイハデキレバサッポロマハリニタノム バンジヨロシクタノム ア

 (二隊弁当 夜函館、朝東室蘭、昼滝川の手配頼む。三隊はできれば札幌回りに頼む。万事よろしく頼む 荒金)

●地崎組平岸事務所寺西安雄あて 二タイ二八ヒ一八ジジョウセン二九ヒ一五ジキチツク ア

 (二隊2818時乗船、2915時貴地着く 荒金)

三隊が平岸に30日の何時に着くかを示す電報は綴りにはなかった。いずれにせよ、地崎組先発要員が名古屋を23日に出発してから中国隊の最後が平岸に着いたのは30日であるから1週間かかっての移動であった。