名古屋―平岸連送(1)

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GHQ/SCAP  LS23672のなかに「名古屋華人平岸~移動連送費用内訳明細書(但シ青森~平岸間経費)」があった。

地崎組(現・岩田地崎建設)は、1944年から45年にかけて中国人を愛知県の大府飛行場(東海市大府市にまたがる丘陵地)で強制労働させたが、456月末に北海道赤平町平岸の日本油化工場建設工事に使うために移動させた。その際の「連送」責任者が地崎組の出した出納報告書である。記載された名前「荒金只夫」は、地崎組の労務部係長である。

摘要の各項目の記載から愛知県から北海道への連行がどのようにおこなわれたかをみよう。

2項に「応援指導員6人分弁当調理に対する謝礼金」とあることから、中国人475人を連行するためについた地崎組関係者は荒金氏をはじめ6人だったことが分かる。3項の「電報 青森連絡所 秋田屋旅館宛」は、地崎組の青森連絡所および青森での宿泊予定である秋田屋旅館に青森にいつ着くのかの予定を知らせた電報の代金である。11項の「接待費青森県庁衛生課」とあるが、青森に着いた25日に県庁衛生課職員を接待したものだが、中国人が秋田屋旅館に宿泊するにあたって衛生課のチェックがあり、その労をねぎらうべく接待したのであろうか。このときリンゴ酒をふるまったのであろう。そのほか、地崎組の本店、函館連絡所などに電報を打っている。