井華赤平の劉玉庚さんの証言(4)

   井華赤平46番の劉玉庚さんの証言は続きます。

 

 中国労工のほか朝鮮の労働者もいっしょに仕事をした。彼らも日本人から虐待と苦難を受けた。あるとき、1人の朝鮮の労働者が私に言った。“あなた達は亡国の民ではない。私達はあなた達よりもっと悲惨だ。日本人がしばらく休憩だと言って彼らが腰掛ける時、私たちは腹ばいにならなければならない”。

 私達は1年余り働いた。ある日、飛行機がたくさんの宣伝ビラを投下した。私たちは宣伝ビラを見て、日本が投降したことを知った。日本人はそのため私達に仕事をさせることができなかった。最初は私達を働かそうとしたが、強引にできなかった。それからあとしだいに私達を管理しなくなった。私達より先に日本にきた中国の同胞が、私達に米、小麦粉を届けに来てくれた。私達は餓死寸前で、その食べものをむさぼるように食べた。中には食べ過ぎておなかを壊す者もいた。私達は自由になり、外出もできるようになった。数ヵ月後、アメリカ人が私達に帰国できると知らせた。帰国前、労工全員にオーバーが支給された。

  (甄国田、何海、李愛軍が2002722日に訪問し、記録)