「赤平合衆国」といわれるほど多かった捕虜と強制連行(7)

 若林勝『ズリ山』を紹介してきましたが、体の底から突き動かされるような迫力で読む者に迫ってきます。

 強制連行135事業場を訪ねた野添憲治さんは、赤平住友川口組出張所のリポートで、「この作品は小学校高学年・中学生向けに書いたものだが、同じような事実はいくつかの中国人強制連行の現場で記録されている。決して誇張した書き方ではない」とコメントしています(『企業の責任』)。

 空知地方史研究者の杉山四郎さんは、『語り継ぐ民衆史』で「ここに書かれてあることに少しの粉飾もない」と評しています。