イトムカ探訪(12)

山本伊勢雄氏の話を続けましょう。

 

  とりあえず汚泥の流失が止ったら、この一号斜樋の下部をコンクリートで固め、永久に使用せず、ダムの溢流はすべて第二、第三斜樋を使用する事にし、これが完成するまでは選鉱場の操業を停止する事。そして御迷惑をかけた下流の関係官庁事業者に陳謝する事。そして小林札幌事務所長に来山を願い、相談相手になっていただく様決めた。そもそもダムの斜樋の決壊は二十一日の正午前後と思われ、夕方ルベシベ出張所より常呂川の水が増水し、汚泥がものすごく流れておると通知をうけたので、次長は、この川から取水して北見市上水道として使用しておる北見市役所に連絡した由である。

 

この次長とは、先に紹介した梅沢良治氏のことで、昭和36年に所長に就任しています。山本氏は、次長とともに川のよごれの様子を見ながら北見市まででかけています。

 

幸い川のニゴリも漸次減少しつつあるもののかなりよごれており、この川から取水しておる北見市役所、北見パルプ側、北海道サケマス孵化場等に陳謝の意をあらわしに参上した。又、日を改めて、この常呂川の下流でオホーツク海にそそぐ河口にある常呂町漁協にも挨拶に伺った。

   この56号ダムは、現在、森になっていて、野村興産の社員ですらダムが有ったことを知らないそうです。