イトムカ探訪(6)
北海道大学の吉田邦彦教授は、「『北海道の掘り起こし運動』と民法学研究」でイトムカの水銀汚染について、
戦中外国人労働者に多くの「ヨロケ」被害を出したイトムカの水銀中毒は、戦後も継続したし(日本人労働者は、企業城下町の被害隠蔽性ゆえに、泣き寝入りした。また、北見市の水源の無加川の往時の水銀汚染は、阿賀野川のそれの3倍であったこともあまり知られていない)、また風光明媚な屈斜路湖(釧路市の水甕)へも終戦直後美幌飛行場の毒ガス弾が投棄され未だ湖底に放置されたままであるとの由々しき環境問題もほとんど知らされていない
と指摘しています。
野村興産というと「乾電池回収処理」が代名詞のようになっていますが、実は、乾電池から回収している量の割合はごくわずかだといいます。「乾電池や蛍光灯は廃棄物の量としては多いが、水銀濃度が低いため、当社における水銀回収量としては1~2%程度のわずかな量です」(野村興産の鮎田文夫取締役技術部長講演録2011年5月13日)。非鉄金属の製錬工程で出てくる汚泥からの回収が中心で、全体の9割を超えるそうです。