青島档案館の強制連行関連資料(9)
この章のはじめの方で紹介した張樹楓さんは、2006年7月に東京高裁で中国の研究者として証言にたちました(新潟訴訟控訴審)。その証言をかいつまんで紹介します。
――張さんは、雑誌を手に証言を始めました。
張さん この雑誌は、青島市档案館が出している研究発表雑誌です。
弁護士 強制連行と労工協会の実態を論じたものと考えてよいか。
張 はい。
弁護士 いつごろ調査を始めたのか。
張 1981年から青島の地方史研究を始めた。日本が侵略した歴史を調べることになりました。
弁護士 調査にあたって力を入れている資料は。
張 档案館や博物館の資料。それによってわかった人々の名前にもとづいて聞き取りをおこなった。
弁護士 どのような形で聞き取りをしたか。
張 これらの手がかりをもとに名前・住所が分かれば家に行って聞いた。まとめて取材することもある。
弁護士 労工協会の人からも聞いた?
張 そうです。私が本人と直接あって聞いた。
弁護士 多くの中国人が青島から船に乗せられ、日本に連行されたが、そもそも、どうやって青島に集められたか。
張 彼らは華北の各地から武装した人間によって列車に乗せられ大港駅まで送られ、労工訓練所につれてこられた。