青島档案館の強制連行関連資料(1)

青島の労工訓練所について調べるには、青島档案館を訪ねるのがいいと思います。

私は、青島社会科学院研究員の張樹楓さんにお願いして利用の便宜を図っていただきました。

档案館は、公文書館に近いといわれています。歴史資料、行政資料、その他さまざまな分野の資料を集めていて、8割くらいが公開されているようです。ただ、日本人が利用するには、事前の手続きはいると思います。

周兆利研究員が館内の案内をしてくれ、私のさまざまな質問にもこたえてくれました。周さんは、『鉄蹄下的罪悪』(資料集)の「日本の労工略奪による青島、山東の経済・社会への影響」などの章を担当しています。2002122日に「人民網日本語版」に青島市の資料館で強制労働者名簿が発見されるという記事が出ました。

<旧日本軍の中国侵略当時、旧日本軍が青島から強制連行した人々の「強制労働者名簿」が20日、青島市の資料館の係員によって探し出された。名簿には100人の姓名と本籍が記されている。旧日本軍は華北地区から5万人の中国人労働者を「行政募集」する計画を立てた。しかし、いわゆる「行政募集」は中国人労働者をだますための表向きで、1944年以降、さらに街で市民を勝手に捕まえて強制連行するように変化した。19448月から19453月までの期間だけで、青島で10代から40代の市民3千人が旧日本軍によって日本へ強制連行され、肉体労働をさせられた。このうち、今回発見された名簿に記されている100人は、1944826日に旧日本軍に強制連行され、日本で肉体労働をさせられた。最年長は45歳で、最年少は19歳だった。>

この記事のことを周研究員に聞くと、「その名簿は私が見つけたもので、記事も書いた」とのことでした。それ以外の強制連行名簿は見つかっておらず、どうして残っているのか分からないと話されていました。