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辺野古護岸工事着工に知事怒り 

 沖縄防衛局は、今日(4月25日)、辺野古の護岸工事に着手したと発表した。

けさ、辺野古に行っていた人から、「ネットに石を詰めたものを5個、クレーンで波打ち際に置いただけですよ。ほどなく、ビニールをかけていましたから、今日はこれで終わりでしょう。まったくセレモニーそのものですよ」と“実況中継”が入った。

予想通りというか。

 きのうまで護岸工事に使うであろう仮設道路は、あまり進んでいなかった。それにケーソンを入れる前の根固め用材がまだ運び出されていなかったことなどから、とても護岸工事の着工は無理だろうというのがもっぱらの見方だった。とはいえ、うるま市長選が終わり、政府にとってはなにはばかることなく工事を強行できる環境になったとして、県の制止を振り切り、着工に踏み切ると予想した。高江のオスプレイパッド工事では、参院選伊波洋一さんが圧勝したその数時間後に強行した。このことに、政府がいかに民意をまったく介さない査証と厳しい批判の声があがった。

今回もうるま市長選の結果が出た翌日の月曜日に、参院選のときのように工事をやるのではないかと予想したが、1日ずれた。案外、菅官房長官は、県民やメディアの批判を恐れているのかもしれないね。

 

この護岸工事の着工を受けて、同日午後、翁長知事が記者団のぶら下がりに応じた。県庁1階ロビーの一画に、テレビカメラが設置され、記者が群がっているから、県庁を訪れた人は「何やっているの」と聞いている。遠巻きに聞く分には、追い払われることもないようだ。

この会見で知事が発表した「知事コメント」は次の通り。

 

本日、沖縄防衛局が護岸工事に着手し、辺野古の海において捨石の投入が開始されたことについて、本日、沖縄防衛局から連絡があり、また、現地に派遣した職員からも報告を受けております。

沖縄県としては、事前協議が調った後でなければ工事への着手は認められないことから、工事を停止するよう求めてきたところですが、今回、沖縄防衛局がこれに応じず護岸工事を強行したことは許しがたいものであります。

また、承認願書においては、事業実施区域内のサンゴ類の移植・移築は、事業実施前に行うとしていることから、沖縄県としては、今回の護岸工事施工個所におけるサンゴ類の状況を確認するため、事業者による調査結果の資料の提供や、護岸工事の着手前に県による立ち入り調査を認めるよう求めてきたところです。しかしながら沖縄防衛局は、沖縄県に十分な説明もないままに捨て石を投入しております。

辺野古埋め立ての工事は、各工区を汚濁防止膜で締め切る方法ではないことから、サンゴ類の移植等を行った後に工事を行わなければ、濁りの影響などで移植前のサンゴ類に影響が生じる恐れがあり、最悪の場合、その多くが死滅する可能性も考えられます。

さらに、本年3月17日に環境省が「海洋生物レッドリスト」を公表しましたが、県が確認したところ、当該事業の評価書に記載された確認種のうち63種が、新たに貴重な海洋生物に該当することになり、サンゴ類についても、評価書に記載された確認種のうち5種が、新たに貴重な種に該当しております。サンゴ類の移植等の方法について、沖縄防衛局が環境監視等委員会の指導・助言を得たのは平成27年度であり、こうした新たな情報を考慮したものとはなっておりません。

今回、沖縄防衛局が用いた手法は、高裁判決で示された「現在の環境技術水準に照らし」て、「その場その時の状況に応じて専門家の指導・助言に基づいて柔軟に対策を講じ」ているとさえも言えず、サンゴ類をはじめとするサンゴ礁生態系を死滅に追いやるおそれがあり、環境保全の重要性を無視した暴挙であると断ぜざるをえません。

政府は、なりふり構わず埋め立て工事の着手という既成事実を作ろうと躍起になっておりますが、護岸工事は始まったばかりであり、二度と後戻りが出来ない事態にまで至ったものではありません。

私は、このような政府の暴挙を止めるため、IUCNなど自然保護団体にも強く協力を訴えかけていくとともに、差し止め訴訟の提起を含むあらゆる手法を適切な時期に行使し、辺野古に新たな基地を造らせないという県民との約束を実現するため、全力で戦う考えであります。

大浦湾の貴重な自然環境を次世代に受け継ぐためにも、県民の皆様にも決して諦めることなく、辺野古への新基地建設阻止に向け、引き続きご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

           平成29年4月25日

           沖縄県知事 翁長雄志

 

 そのあとの記者団との一問一答も若干紹介しておく。

―知事はこれまで対抗策として、工事の差し止めや撤回について明言されていましたが、いつごろその対抗策を講じるのか。

 知事 差し止め訴訟もそうでありますけれども、撤回につきましても、慎重に、大胆に物事を進めていかなければならないところがございます。法的な観点からの検討は、丁寧にやらなければなりません。どのような事由が撤回の根拠となるか、効果があるか、慎重に今、弁護団とも検討しているところであります。沖縄県としましては撤回を視野に入れて、法的な観点、国の日々の動き、全体的な流れを勘案しながら、あらゆる状況を想定して、今、弁護団と議論をしているところであります。今後も沖縄県の有するあらゆる手法を用いて、辺野古に新基地はつくらせないという知事公約の実現に向けて、とりくんでまいります。

―護岸工事は、現状回復は難しくなるという見方があるが、どの程度の危機感をもっているか。

 知事 実際上、海域に入ったわけですから、たいへんな危機感を持っています。今日までの出来ごと等を思い出しながら、なおかつ、政府がことあるごとに県民に寄り添い、誠心誠意、基地負担の軽減、法治国家であるというようなことを話しながら物事を進めておりますけれども、現状は私たちからすると、暴挙としかいいようがない。そのなかで本日、海域に捨て石が入ったということは、たいへん重大なことと考えておりまして、そのことに関して、私たちも重大な決意でこれからいろいろ対処しなければいけないなとこのように考えています。

―差し止め訴訟を含むあらゆる手法を適切な時期に行使するとおっしゃっていたが、まずは撤回よりも差し止め訴訟を提起して行くという構えでいらっしゃいますか。

知事 これはいろいろ弁護団と相談しながら、岩礁破砕許可を受けることなく継続していることとか、そういったことを含めいろいろな角度から議論しつつ、そういったものに対処しようということであります。

―市民の間で早く撤回するべきだという声がある。その受け止めと、いまの事態を市民にていねいに説明するお考えは。

知事 いろんな議論、マスコミなどによるいろいろな声の紹介含め、いろんな識者にお聞きもしています。一昨年に、第三者委員会で約半年間検証してもらいましたが、そのときにも中谷防衛大臣5月頃、夏には土砂を入れるというような話がある時に、県民はたいへん、不安に思って早く取り消せ、第三者委員会とは関係なく早く取り消せというような話もございました。その第三者委員会にかかわった人達は、時間をかけて瑕疵について、私たちからすると正確に報告をしてもらいました。そういった中での一昨年10月13日の取り消しだったわけであります。ですから、県民もたいへんいらいらするでしょうし、たいへん不安にもなるでしょうし、いろいろございますが、私とすれば、工事を止める、そういうことで知事になっておりますので、その方法を含め、決してマイナスの面で考えてはおりませんので、いい方向に行くようにいろんな議論をしながらやっているところであります。

―県民投票については。

知事 さっきも県民の不安とかいろんな思いがあるようですがという質問がありましたが、いまのことも耳の中に入ってきて、私なりに県民やあるいは世論として、おっしゃっていることについては出来るだけ深く理解するようにやっておりますので、私なりの考えはもっておりますけれども、これも含めて相談しながら、県庁内でも相談しながらやっていきたいと思います。

 

私としては、知事が県民に「あきらめないで」と呼びかけたことが一番、心に響いた。

自民党沖縄県連が辺野古容認 安倍政権と一体となって県民世論に挑戦

 自民党沖縄県連の大会が昨日(2017年4月8日)那覇市内で開かれた。多くのメディアが、普天間基地の移設先について「辺野古を含めたあらゆる選択肢を排除しない」としていた方針を転換し、「辺野古容認」とした点に焦点をあてて報道したが、それは当然であろう。

 ここで少し詳しく県連の辺野古新基地建設をめぐる方針の変遷を見ておきたい。
 2009年の衆院選で「最低でも県外」を掲げた民主党が大勝し、自民県連は全敗。これ以降、自民県連は選挙では県外移設を公約に掲げた。2013年11月25日に沖縄県選出の5人の国会議員自民党本部に呼び出され、県外移設を取り下げさせられた。同日、石破茂幹事長(当時)は、県選出国会議員との会合に関する記者会見を行った。
 「先程9時から、私と沖縄県選出自民党の5名の衆参両院議員の皆さん方との会合を開かせていただいた。結果、普天間基地の危険性を一日も早く除去するために、辺野古移設を含むあらゆる可能性を排除しないということで一致をいたしました。私どもとして、これを受けて、普天間基地の危険性の一日も早い除去のために、沖縄の国会議員とさらに連携を密にしながら、このことの実現のために全力を尽くしてまいります」
 石破氏の横には、5人の国会議員が座った。このときの写真が、明治政府から琉球に派遣された松田道之処分官が警官、軍隊を引き連れて首里城の明け渡しを求めたときの図と重なって見えるとして、「平成の琉球処分」と呼ばれた。

 

 では、今回の県連大会の方針転換は、何によって起こったのだろう。
 <名護市辺野古への普天間飛行場代替施設移設に関して、平成28年12月20日、国が提起した不作為「違法確認訴訟」で、最高裁判所は、国の主張を認め県の敗訴を言い渡した。判決内容は、平成27年10月13日に翁長雄志知事がなした「辺野古沿岸埋め立て承認取消し処分」は違法とされるなど、県の主張を悉く退ける県にとって厳しい結果となった。この結果を受け、翁長知事は、自らがなした「取消処分を取消した」。これにより、平成25年12月27日に仲井真弘多前知事がなした埋め立て承認処分の合法性が確定した。>
 県連は、この最高裁判決がでたことにより普天間問題は新たな段階に入ったが、翁長知事はいまだに「知事権限などあらゆる手法を行使して辺野古移設を阻止すると発言」しているが、普天間の固定化につながると批判。「辺野古代替施設への移設以外に現実的な方策が見いだせない」と方針転換を打ち出した。
 つまるところ、最高裁判決に従って国は辺野古の工事をどんどん進めるから、国に抵抗をすることをやめるべきだという理屈であろう。そして、行動方針として「最高裁判所の判決に従い裁判所の和解勧告の順守を翁長県政に求めるため、県議会における追求や広報街宣等を駆使して全力で取り組みます。」とうたった。
 この行動方針は、2月議会ですでに自民党県議団が代表質問や一般質問でおこなってきたことの確認である。この立場で今後も翁長県政を徹底追及し、翁長知事に国へ服従するよう求めるということを確認したということができよう。


 自民党県連は、衆院小選挙区でも参院選でも全敗しているが、辺野古容認によって失地回復の足がかりをつかめるのか、ますます混迷を深めるのか。そのあたりを彼ら自身どうみているだろう。自民党大会の文書の次の点に注目したい。
 ① 第12回県議会議員選挙は6月5日に行われ、13選挙区に71人が立候補した。自民党は党公認19人、推薦1人の計20人が立候補した。選挙結果は、自民党は、公認・推薦を含め、公認14人(名護市は無投票当選)、推薦1人の15人が当選した。改選時13名から1名増となっているが、前回(第11回)県議選における自民党の当選者は15人であり、厳密には今回は1名減となった。沖縄の政治・経済の先導的役割を担ってきたのは自民党であり、政党としての責任を果たしていくためには、県政において最大・多数の議席を獲得する必要がある。そのため、現下の自民党にとって厳しい政治情勢にあって、中頭郡区、沖縄市区、宜野湾市区、那覇市区の4選挙区で公認候補を増やし全員当選を目指した。しかし、選挙戦さ中、米軍属による(殺人)・死体遺棄事件が発生し、さらに投票日当日に米兵による飲酒運転人身事故が起きたことなど、選挙期間中連日報道され、米軍事件イコール基地容認自民党とのイメージが定着し、明らかに有権者の投票判断に影響し自民党に逆風となった。
 ② 昨年は、県議会議員選挙で、現有議席を上回ったが、当選者15名(推薦含む)と当初目標に届かず、参議院議員選挙は、オール沖縄候補に大敗した。依然県内政情は、自民党に逆風であり、党勢拡大・党員獲得運動は厳しい状況にある。翁長知事が掲げる辺野古移設阻止に対し、原点である普天間飛行場の危険性の除去・早期返還の実現と言う県連の主張が県民に浸透し得なかったのが最大の要因である。
 ③ これまで、県連は翁長県政・オール沖縄側の国内外への反辺野古移設キャンペーンやマスメディアへの取り組みなど巧みな情報発信戦略に対し、迅速・的確な対応が出来ず、県民の支持を失ってきた。
 「米軍事件=基地容認自民党のイメージ定着」「依然自民党に逆風。県連の主張が県民に浸透しなかった」、さらに「国内外への反辺野古移設キャンペーンに対応できなかった」と総括している。最後の点についていえば、自民党県議らは、あらゆる機会に知事の訪米活動は成果がなかったと繰り返し、今年度予算からの削除さえ要求してきた。それは、訪米活動にたいする県民の期待と支持をおそれ、なにがなんでも断ち切りたかったことがみてとれよう。
 大会後、自民党県議らは「苦渋に近いものがある」「翁長知事の全盛期は過ぎ、さがりつつある」-こんなことを言っていたという。つまり、容易なことではないが、最高裁判決が出て、翁長知事の求心力に陰りが見え始めており、今こそ反転攻勢に転じるべし。その旗幟を鮮明にするため、辺野古容認だ―来年11月の知事選戦略を見据えた決断であろう。「来るうるま市長選挙、那覇市議選を勝利し、来年に予定される、名護市長選挙を始め首長選挙、最大の戦いとなる県知事選挙に向け、万全の体制を構築しなければならない」と檄を飛ばしている。安倍政権とまさに一体となって県民世論に挑戦する姿が鮮明になった大会である。

キャンプ・シュワブゲート前での県民集会決議文

 下に掲げるのは3月25日に辺野古キャンプ・シュワブゲート前で開かれた県民集会の決議文である。「弾圧は抵抗を呼ぶ。抵抗は友を呼ぶ」。瀬長亀次郎さんのよく知られた言葉だ。闘い続ければ、必ず理解するものが増え、闘いの輪に加わってくれるーこの強い確信のようなものを沖縄の人たちは持ち続けている。20年前、辺野古のたたかいは、数人から始まったという。ときには黙っている者に「若者よ、たちあがらんか」とおばぁが叱咤したこともあったらしい。ともかく毎日、毎日、抗議活動を続け、それが海にも陸にも新基地をつくらせないと宣言する名護市長を誕生させ、その声を全県に広げ、翁長知事を誕生させた。歴史を紐解けば、米軍占領下での人権を守るたたかい、米軍の土地とりあげにたいするたたかい・・・綿々と続いている。

 それにしてもと、決議文をじっくり読めば読むほど、そう思う。あまりにも悲惨な事件が、次々に起こっている現実。沖縄に基地を置き続けるということは、その現実に目をつぶるという以外にできないことだろう。自公政権のいうがまま、沖縄の現実から目をそむけていいのだろうか? 

                                                      決議文
 私たちオール沖縄会議は「オスプレイの配備撤回」「普天間基地の閉鎖・撤去」「辺野古新基地建設断念」を求め日本政府に突き付けた2013年の『建白書』の精神を礎に「オール沖縄」としてこれまで翁長雄志沖縄県知事を支え活動を展開してきた。
 こうしたなか、昨年4月、沖縄が本土に復帰後、最も残虐な事件が起こった。行方不明となっていたうるま市に住む女性が遺体で発見されたのだ。元米海兵隊員で軍属の男が未来ある二十歳の尊い命を奪った凶悪な事件は沖縄県民に耐え難い恐怖と衝撃、深い悲しみを与えた。
 また、昨年の12月には米海兵隊普天間基地所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ名護市安部集落の海岸に墜落大破する事故が発生した。同日、別のオスプレイも夜間に普天間基地胴体着陸する事故を起こし、その後も民間地上空での吊り下げ訓練が激化するなど、今や欠陥機オスプレイ墜落の危険性は沖縄県全域に広がっている。
 今年は復帰45年の節目の年である。沖縄県民はこれまで、幾度となく「基地あるが故の」事件や事故に抗議し、日米両政府や米軍に対し再発防止の徹底と綱紀粛正を強く求めてきたが、切なるその願いは未だ聞き入られていない。強大な日米両政府の権力は復帰後も「司法・立法・行政」の全てにおいて「三権一体」となり沖縄県民へ牙を向け続けている。
 国が沖縄県を訴えた代執行訴訟をはじめとする前代未聞の法廷闘争に代表されるように、新基地建設の問題はこの国の民主主義、地方自治の根幹を揺るがした。法治国家でありながら、ありとあらゆる手法と手段で沖縄県民の民意を圧殺し続けているのが今の日本政府である。
 私たち沖縄県民は強く訴え続ける。世界一危険な普天間基地の危険性を放置し続け20年間以上固定化し続けている一番の当事者は日米両政府である。
 私たち沖縄県民は強く訴え続ける。国民の当然の権利である生存する権利を、自由及び幸福追求の権利を、そして法の下の平等を。
 現在も辺野古ゲート前では「各地域に結成された島ぐるみ会議」を中心に県内外から結集した個人や各種団体が「沖縄県民は決して屈しない」という非暴力・無抵抗の座り込みを中心とした粘り強い闘いが行われている。これは復帰後最大級の県民運動である。

 「弾圧は抵抗を呼ぶ。抵抗は友を呼ぶ」「今こそ立ち上がろう!」

 私たち『辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議』は、沖縄県民と全国の多くの仲間の総意として『違法な埋立工事の即時中止と辺野古新基地建設の断念』を強く日米両政府に求める。

 以上、決議する。

 宛先:内閣総理大臣外務大臣防衛大臣、沖縄担当大臣、米国大統領、駐日米国大使

                          2017年3月25日

       違法な埋立工事の即時中止・辺野古新基地建設断念を求める県民集
                 「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」

埋め立て承認撤回必ずやります 翁長知事力強く表明

3・25辺野古民集会に参加した翁長知事 

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きょう3月25日、キャンプ・シュワブゲート前で「違法な埋め立て工事の即時中止・辺野古新基地建設断念を求める県民集会」が開かれ、翁長雄志知事があいさつした。「埋め立て承認の撤回は必ずやります」。時期こそ言及されなかったが、この力強い表明を歓迎した人が多かったことだろう。最高裁で県が敗訴し、コンクリートブロック投下が始まり、護岸工事も目前という暗雲漂う中で、ようやく前を向ける気がした人もいるだろう。その知事のあいさつを紹介したい。
                     ◆
 新辺野古基地は絶対つくらせない、こういう決意でもって3500人を超えたという話がございました。皆様方の沖縄を思う気持ち、子や孫を思う気持ち、祖父母を思う気持ち、こういう沖縄県民の誇りが、私たちは絶対にこの辺野古に新基地はつくらせない、この思いでここに結集しているんだろうと思っております。大変心強く、心から感謝申し上げます。いっぺいにへいでーびる。
 私は今年に入ってから「新しい1ページに入っていく。この辺野古新基地の種々の闘争は、あるいは行政、いろんな形でやっていくものは、新しいステージを迎える」こういうような話をさせてもらいました。きょう、山城博治さんのお姿も拝見されたようであります。今日を期してのこれからの沖縄のたたかいがこれから始まるんだなという意味で、私もこのように参加をさせていただきました。
 今の新辺野古基地建設の状況を見ますと、私は古い人間なのかなと思いますけれども、あの米軍占領下を思い出します。あの銃剣とブルドーザーで家・屋敷をたたき壊して新しい基地をつくって、県民の土地やまちを奪いながらやってきた、そういうことを思い出して、国の新辺野古基地のやり方を私から見ると、あの占領下の銃剣とブルドーザー、まったく同じ手法でもってあの美しい大浦湾を埋め立てようとしているんだなと、こういうふうに強く感じているところであります。
 きのう共同通信の主催によりまして47都道府県の地元紙の編集委員長、お揃いのなかに1時間講演をしてまいりました。たくさん話して参りましたので詳しくここで紹介できませんが、簡単に申し上げますと、米軍基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因だ、本土の人からよく言われるが、「あなたがたは基地で食べているんでしょう、だから振興策をもらっているんでしょう、だから基地を預かるのは当たり前じゃないか」と、こういう話をされるところがありましたから、しっかりと数字をあげて話をさせてもらいました。私はそういうなかにひとつひとつエピソードを入れて、ある意味で全国の人が分かりやすいように話をしました。抑止力のために菅官房長官のふるさとである秋田県十和田湖埋めますか。宮城県松島湾埋めますか。琵琶湖を埋めますか。こんなことが沖縄県にあっていいのか、ほかの県でそんなことを許すのかと。こういう沖縄県との差を私は話させてもらったわけであります。
 ほかにもありますよ。本州と四国を結ぶ橋、3本かかっていますが1本1兆円。九州の新幹線も1兆円。そして今稼働しております。いいことであります。沖縄県那覇空港の並行滑走路にたいしましては、沖縄県が基地を預かっているからだから特別につくってあげているんだという話をする人がいます。私は四国の人も九州の人も米軍基地を預かっているから橋を架けるのか、あるいは新幹線を走らせるのか、こういう話はやめてもらいたいというのも、その中で話をさせてもらったわけでございます。そういう具体的話をする中で、本土の方からも辺野古基金にはたくさんの募金が寄せられております。
 いま世論調査では五分五分くらいで、1ポイント新辺野古基地はつくらせないということが多い状況です。
 あのネットは恐ろしいほどの話が飛び交っていまして、私の娘二人は、一人は中国の外交官と結婚している、一人は中国に留学していると言うんです。うちの娘は旅行であれなんであれ中国に行ったことは一度もない。そういったものがずーっと流れている。こういったことを言いながら翁長知事は中国のスパイだ、だからオスプレイに反対するんだ、新辺野古基地を反対するんだ。こういう簡単な論理でみんな簡単に凝り固まって、沖縄の歴史も顧みずにこのような形でやっているわけであります。
 ですから私たちは、こころを一つにして。いろんな思いがあると思います。保守・革新を乗り越えるということだけでも大変です。それからそれぞれの政党・会派もしっかりとした立派なものをもっています。しかし心の中に祖先が培ってきた沖縄の歴史・伝統文化、そういうものをいかにして発揮していくか、このためには私たちは包容力を持って、心を一つにして、新辺野古基地は絶対につくらせないという、これをやっていきたいと思っているわけであります。
 実は原稿を準備してきたわけでありますけれども、私が準備してきた話をみんな話されましたので、それとは別の話をさせていただいているわけですが、きょうは私も耳ぐすいといいますか、それぞれの先生方の話を聞きながら、それと皆さん方の熱意ある表情を見ながらあらためて頑張る決意を固めているわけであります。
 国は、岩礁破砕、3月31日までに許可を得なきゃいかんのですけれども、許可はいらない、今まで水産庁も政府も漁業権はありますよというものでやってきたんです。むつかしい話はしません。それとまったく違う形で、1、2カ月前にひっくり返して、これはこれでいいんだと押し切ろうとしております。
 それから(ほかにも知事権限に関するものが)いくつかあるんですけれども、そういうものを全部、ある意味で法治国家と誰かさんはインタビューでしょっちゅう、日本は法治国家だいうんですけれども、私は放っておく「放置国家」、沖縄県をまさしく放っておく「放置国家」に戦後70年間もあったのではないか、これを拾うことなくして日本を取り戻すなどというとんでもない話をすることはやめてくださいという気持ちでございます。
 政治は変わってまいります。世界情勢も変わってきております。そして日本も、きのうテレビのニュースを見ておりますと、どうやら変わりつつあります。液状化をしてきております。いつまでも同じものがずーっと続くわけがございません。
辺野古基地は早くて10年、遅かったら、20年。絶対にできないということは、100%、お互いの力で止めることができることになるんです。
    こういったものをこれから1兆円もかけてつくり上げようとするような、そういう国際情勢の大きな流れ、アメリカと中国が手を結ぶかも知れないじゃないですか、ロシアと中国が手を結ぶかもしれないじゃないですか。こういったこと等もあるなかに、ここだけは辺野古唯一ということで、まったく価値観を変えることなしに、せっせせっせとやる。私は、これでは日本は一流の民主主義国家にはならない。沖縄の新辺野古基地を止めることによって、日本の民主主義を、そして沖縄県民の自由、平等、人権を勝ち取っていく。そういうことでなければいかんと思います。
 最後になりますが、岩礁破砕の許可のことも、何でも無視をして通り過ぎていこうとしている。いろんな規制があるんです。それを通り過ぎようとしているものが、私の胸に一つひとつ貯金として入っていますので、この貯金をもとに私はあらゆる手法を持って、そして私は(埋め立て承認の)撤回を力強く、必ずやります。
 このなかでお互いの思いを、日本国民にも世界にも話をして、そしてお互いの地方自治、県民の一人一人の安心安全、みんなで守っていきましょう。今からが本番ですよ。

赤嶺政賢衆院議員の時局講演 辺野古新基地建設などの沖縄問題を語る(2)

 今、国は、高江のヘリパッドは完成したとか言いながら、工事をやっている。辺野古工事もコンクリートブロックをどんどん投下している。県民に諦めさせようという政府の狙いもあると思うが、諦めても米軍基地と沖縄県民との矛盾は基地がある限り拡大していくばかりですよ。あのうるま市の女性を殺害した元海兵隊員が星条旗新聞に発言していますでしょう。あの時間に、あんな所にいた女の子が悪いって。沖縄県民と基地とのたたかいはずっと続いていく。基地と県民との矛盾、これが私たちを辺野古に立ち向かわせるんです。
 今、最高裁の判決が出てどんどん工事を進めております。ブイやフロートの設置をいたしました。立ち入り禁止区域も、前はブイを越えられるような設置の仕方だったのですが、今は船が引っかかるような設置の仕方、ネットも張ったりしています。それから汚濁防止膜設置。防止膜が流されないように海に投下したトンブロックにつなぐ作業が昨日から始まったということです。予定されている250数個のトンブロックの投下もほぼ終わり、深場だけが残っている。トンブロックの投下で、サンゴ礁の破壊が進みます。前回、サンゴを押しつぶしているトンブロックの写真が新聞に掲載されて大きな問題になりました。今回は、政府は、潜水夫を入れてサンゴのないところを選んで投下しましたと言い張っている。今、市民団体が調べておりますけれども、そういうことも彼らはやっている。5月までには周りの護岸を全部完成させて、いよいよ土砂を入れようとする。
どうやって止めるか。一つは、事前協議の問題です。これから埋め立てるための護岸の設置という本格的な工事に入っていきますが、本格的な工事に入るには詳細な設計図をつくって、沖縄県と調整してくれよという事前協議をやるという取り決めが、政府と沖縄県の間にあります。
 裁判をやっている段階でのことですが、防衛局は、部分的な汚濁防止膜を設置する設計図を県に出しました。沖縄県としては、全体がわからなくては問題点があるかどうか判断できないといって、全体の設計図を出してくれと国に要求していました。国はそんなことを言うのならと打ち切ってしまったんです。公共事業でこんなことが許される話はないですよね。この問題で、工事をいったん中断して事前協議の応じなさいという県と、協議は尽くしたという国との対決が続いています。県の土木の職員は一生懸命頑張っています。
 もう一つは3月末に期限が切れる岩礁破砕許可の問題です。トンブロックの投下は、3月を過ぎても続くでしょう。そうなれば、4月以降については、許可期限が切れるので沖縄県の許可をどうしても得なければならなくなります。沖縄の岩礁というのは、沖縄の漁業資源の一番大事なものです。サンゴ礁の中で魚は卵を産み、太ったのちに海に出ていく。漁業資源としてサンゴ礁を守るというのは、沖縄県水産課の最大の仕事なんです。だから岩礁を破砕する場合は、許可を取るべしという規則があるんです。仲井真知事の時に一度許可はしても、期限をつけたんですね。これが今年の3月までだったんですよ。3月になったらもう1回岩礁破砕の許可申請を国が沖縄県水産課に出すべきなんですね。ところが名護の漁協、埋め立てるところだけを放棄し、補償金をもらったんです。去年の11月にひそかに数十億円で名護漁協が漁業権を放棄するという手続きをやっている。放棄したことが分かったのは、今年の2月です。放棄したから、防衛局が盛んに言っているのは、もう肝心の漁業権を持っている名護漁協が放棄しているんだから沖縄県には岩礁破砕の許可権限はなくなった、だから再び申請をする必要はない、と。沖縄県は40日以内に岩礁破砕許可の申請を出せと言っていますけれども、仲井真知事の時に7日で通った経過があるから40日には従わないというのが今の防衛省の見方です。だから、3月23日になったら、おそらく防衛局は、名護漁協は漁業権を放棄しているので、改めての許可申請は取らなくていうでしょう。そのときから次のたたかいになっていく。国相手のたたかいですから、なかなか簡単ではないですよ。水産庁を詰めたんですよ。水産庁も漁協が漁業権を放棄しているから漁業権はないと思いますよと。ただ岩礁破砕許可というのは、沖縄県が持っている権限で、国が取って代わることができないというんですよ。沖縄県自治に属する問題で、自治に属する問題として沖縄県の水産課も頑張っているんですよ、国がなんと言おうとここは譲らんぞと。
 それから、文化財。シュワブ一帯に文化財が埋もれていることが前に問題になりました。今出ているのは、この文化財が海域にまで広がっている可能性がある。だから陸地の調査だけにとどめず、海域も調査させろといって名護の教育委員会と県の教育委員会が求めているんです。これ、権限強いんですよ。文化財が出てきたらどんな法律も一度ストップして文化財の調査が終わらないと、次の工事に移れないんですね。それがどこまでできるか。これやられたらブロックの投下もなかなかむつかしくなる。このたたかいをやっていきます。
 それから辺野古海底地盤改良へ新基地建設で政府検討県に申請必要だという、このボーリング調査22カ所やった。ところがいま、ボーリング調査船ポセイドン、日本で一番大きなボーリング調査船がきて、22カ所にとどまらず、ほかのところもボーリング調査やるというんですよね。それは何のためにかというと、地盤改良しなければいけないところがわかったみたいですよ。地盤改良することによって設計変更を出さなければいけないんです。政府は出さなくていい方法をいろいろ考えているようですけれども、出さなければいけないという内容です。これもまだたたかいは始まっていませんけれども、これから始まっていくんです。
 政府はあらゆる手段を動員して翁長知事の権限をすべて奪い取って、手続きをしないで工事を進めようとしています。我々は手続きをきちんとやれ、と、同時に行政の側も県民の立場に立って、それを強固に求めていくというのがあるんですね。権限があるんですよ。その権限を生きたものにするためには、翁長知事を支える県民のたたかいが必要なんです。翁長知事をささえるたたかいは何かといえば、辺野古のゲート前です。それから、各地でのスタンディングや署名です。
 県民投票という話がありますが、今のところ県民投票は、民意がゆらいでいるかのような印象を与える、県民の民意は知事選、衆院選名護市長選で示されているという意見も出ています。ただ、知事は今、撤回に向けてどういう考えを持つかという、慎重に進めています。、知事は撤回を必ずやりますが、それをどういう手続きで進めるか、漁業権の問題とか、文化財の調査の問題とか、地盤改良の問題とか、美謝川の問題とか、一つ一つが針の穴に糸を通すような細かい神経を使ったたたかいなんで、一歩誤ると2週間で裁判が負けてしまうようなそんな結果になりかねないので、いま知事は、相当慎重にやっております。知事が慎重にやっているのを、われわれは座して待つのではなくて、一つは島ぐるみが提起している辺野古のたたかいと、新婦人が何をやるのかということですが、新婦人は署名も得意ですし、スタンディング。島ぐるみの統一的な行動と同時に、署名とか全国と連帯したたたかいをやっていくことが大事じゃないかなと。沖縄のたたかいというのは1966年ごろまでは、沖縄にたいする偏見が本土ではある時期でした。1968年に屋良主席が誕生して、がらりとかわりました。72年には沖縄返還。3年、4年で情勢変わるんですよ。県民が諦めることなくたちあがってたたかっていけば、野党共闘を前進させる力にもなるんです。当事者であるわれわれ沖縄県民が抗議の声を上げることを緩めてしまえば、政府はかさにかかってきます。オスプレイの着陸帯ファルコンが間近にある城原区の泉さんみたいに諦めないで声を上げ続ける。高江の安次嶺雪音さんが声を上げ続けることが大事だということが分かった、ここに住み続けたい、住み続けられるようになるために着陸帯を撤去せよと声を上げ続けると言っております。
 行政権限があるといっても、それをささえる圧倒的な知事を支える県民のたたかいがなければどんな権限でも使えません。それを、大衆運動と、現場でのたたかい、それから選挙、今度はうるまの市長選挙、そして知事の権限、この三つ合わせて勝つというシナリオは今でも変わりません。がんばりましょう。

 

赤嶺政賢衆院議員の時局講演 辺野古新基地建設などの沖縄問題を語る(1)

 日本共産党赤嶺政賢衆院議員が、11日に開かれた新日本婦人の会沖縄県本部の学習会で時局講演を行った。そのうちの沖縄に関する部分を要約する。

 沖縄で安倍内閣をだいぶ追い詰めました。オスプレイ名護市安部での墜落の問題を50分、追及しました。政府・防衛省は米軍に右へ倣えして、墜落と言わずに不時着水と言っている。これはとんでもないことで、事件を小さく見せようとしている。
 衆院予算委員会自民党はたくさんいますからね、政府の見解と違うことを言ったら、ものすごいヤジが飛んでくる。飛ばすなら飛ばしてみろと構えて追及した。「防衛省名護市への第1報は、墜落。墜落だろう」と言ったら、不時着水だと、首相も出てきて防衛大臣も出てきて、不時着水だというわけですよ。「しかしあなた方は、第1報は墜落といったじゃないか」重ねて追及した。防衛省の官僚が出てきて、あれはドタバタの中でしたので、第1報は墜落といいましたと認めた。これではだれもヤジれない。
 安部の人たちは、月夜の晩に海も凪で静かな夜だった、そのときに乱気流が起きて墜落したということは考えられない、高度いくらで飛んだのか―それが安部の人たちの意見だった。それをそのままぶつけた。「高度いくらで飛んでいたから乱気流にぶつかったのか」。アメリカから情報の提供はありませんという。「では、なんで乱気流だとわかるか」。アメリカがそういっているからというんです。
 私は、気象庁に「気象庁、当日乱気流の予報はありましたか、乱気流が起こったという民間のパイロットの連絡はありましたか」と聞いた。なかったという答弁でした。乱気流はなかった、ではなぜ、オスプレイは墜落したのか? 結局、空中給油機の後方から出る気流で、後方乱気流というらしいんですが、それに巻き込まれた。普通のヘリだったら巻き込まれない。オスプレイだから巻き込まれる、そういう欠陥を持っている。後方乱気流で墜落にいたった。彼らは苦しい答弁を続けておりました。
 普天間基地の5年以内の運用停止についても政府をただしました。仲井真知事が埋め立て承認をしたときに、安倍首相に基地が完成する前であっても普天間基地は危険だから、5年間で運用停止してほしいと言ったら、できることはすべてやる、何でもやるといった。県議会でも、5年以内の運用停止を本当にできるかと言われた仲井真知事(当時)は、首相が約束してできないはずがないじゃないかという答弁を繰り返した。

 それを今回、安倍首相がトランプ大統領に会いに行ってきたので、この問題で聞きました。「トランプ大統領にあなた会いましたね。あなたはその時に、仲井真前知事と約束した普天間基地の5年以内の運用停止、トランプ大統領に伝えましたか」。返ってきたのは、様々な話し合いをしたという答えでした。「私が聞いているのはさまざまな話しあいではなくて、5年間の運用停止を伝えたかどうかだ」。いろいろな話し合いがあったと繰り返した。運用停止を伝えていないことが分かったんですよ。5年以内の運用停止というのは2019年2月が期限。あと2年しかないができますねって、念を押したんですよ。そうしたら安倍首相は、翁長知事が協力してくれないからできないって答弁したんですよ。予想もしていない答弁でしてね。何を言うかと思って、「あんた、一度でもいいからアメリカに5年以内の運用停止やってくれと言ったことがあったか」。一度もないんですね。「ここにきてできなかったら翁長知事のせいにするのか」。厳しく叱りました。
 もう一つ問うたのは、普天間基地で行われている補修工事です。今、リフォームやっている。滑走路そばの住宅を。リフォームの中に洪水、雨が降ったら隊舎が冠水するということでため池を造る。このため池は、ものすごくでっかいものです。それが戦前の普天間基地の中にあった神山部落というところにつくる。神山集落が全部なくなるような大きなため池です。

 地元の人たちは、神山集落は返還してきたら自分の屋敷に戻りたい、自分の屋敷はこのへんだったということを長老たちに聞いて地図をつくっている。返還をするといいながらなんで自分たちの集落をつぶすかというものすごい怒りの声がおこっているんです。それを宜野湾市長は前から知っていたんです。知っていて、神山集落の人たちに一言も言わなかった。

 2019年2月が返還期限なんですが、いま普天間基地で行っている補修工事は2020年、21年、22年までかかるんですよ。5年以内に返すなんてことは一度も考えたことのない人たちが、翁長知事が悪いからとやっている。一番あわてたのは宜野湾の市長ですよ。実は補修工事が2019年2月を過ぎてまで終わらないことを知っていたんです。防衛省から連絡を受けて。

 これが明るみに出て、共産党の知念吉男議員が、宜野湾市議会でバンバンやったわけですよね。この間官邸にきて官房長官に5年以内の運用停止やってくれないと大変だと泣きついているんです。安保の壁にぶつかって何にもできない政府が5年以内に返しますとか、やっている。それについていったチーム沖縄という市長たち。彼らは、追い詰められております。
 われわれは高江でもたたかい続けております。宜野座村の城原区でもたたかいつづけております。城原区のそばにオスプレイの着陸帯「ファルコン」があります。泉さんの家からわずか300メートルです。

 泉さんが、オスプレイがひどいといって防衛局の職員を呼んだ。航空標識等をめがけて飛んでくるから見に来いって。ところがその日に限ってなかなか来ない。来ないじゃないですかって言っているときに、オスプレイが基地から外に出てきたそうです。防衛局の職員もまっさおになって、これはたいへんになったって平謝りにあやまった。基地の外でトンブロックをつりさげて旋回訓練するようなことは、許されません。

 防衛局長はその報告を聞いて、宜野座村の村長のところに謝罪にいったそうです。そのあと、米軍の司令官のところに行っているんですよ。防衛局長が米軍の司令官に抗議したら、局長、あれは基地の外に出たように見えるが、あれは基地の中だ、あんたがたは基地の外だと思っているんかと言った。それで防衛局長は分かりましたと。翌朝、沖縄県に行くときに、城原区では基地の外をトンブロックをつりさげて飛んでいたといいますが、アメリカは認めておりません。アメリカは基地の中だったと主張しております。基地の外だったか中だったかはっきりしません。このようにいったんですよ。

 白い色でも米軍が黒だといえば黒。泉さんは、防衛局の職員を呼んで一緒に見たでしょう、一緒に見たのにあんたがた、今頃になってわからないというのかと詰め寄った。職員は、申し訳ないを繰り返したそうです。

                (つづく)

 

翁長知事、稲嶺市長の訪米活動(2)

 現在、沖縄県議会2月定例会が開会中だが、翁長知事を攻撃する論点として、①“最高裁で県は敗訴したから、埋め立て承認の撤回はせず、新基地建設に協力せよ”②知事訪米の成果はなかった―などである。知事も与党3会派も精力的に反論しているが、ここでは②についてその一部を紹介する。
 訪米活動とその成果については、翁長知事は、ワシントンでの記者会見その他で語っているので、そちらで確認していただくとして、ここでは、知事帰国後だが、米連邦議会調査局が連邦議会議員向けに沖縄リポートをまとめたことを紹介しよう。
県議会で与党県議が「連邦議会調査局の報告書が発行されたが、これも訪米成果ではないか」と質問したことにたいして、翁長知事は「米国で調査局や補佐官などと話をしたが、しっかり要約されている。議員の政策を裏付けるために提言するような形でだされるもので、沖縄の思いがある程度伝わった」と成果を強調した。
連邦議会調査局自体、なじみが薄いが、謝花喜一郎知事公室長は「2015年の米議会連邦調査局の新規報告書などの件数は1264件であり、政策決定の参考にされるなど、連邦議会のなかでもたいへん重要な報告書の一つと考えている」と説明している。
 報告書で注目されるくだりをいくつか列記しよう。
① 更なる懸念は、最近日本政府が勝訴したにも関わらず、地元民の反対により、論争の的となっている沖縄の普天間基地の移設合意の実施についてである。
② 翁長知事は引き続き移設(計画)に反対しており、工事を阻止若しくは更に引き延ばすその他の方策を遂行している。
③ 日本政府もしくは米国政府による強引な行動は、反基地抗議を激化させる危険をはらんでいる。
沖縄県民に広く行き渡ったこのような不安のため、在沖米軍プレゼンスの持続性は、同盟にとって重大な懸念となっている。
日本政府は、最高裁で政府が勝利したから辺野古は絶対にできますと、一方的な情報を米側に伝えるばかりで、沖縄の民意は辺野古に新基地は造らせないだということをまったく伝えてこなかった。それゆえ、遠回りのようだが、沖縄の現状と民意をきちんと伝えることがどんなに困難であってもやり遂げなければならない課題になっていたのである。その意味で、一定の権威のあるところから、沖縄県の現状と新基地問題にたいする沖縄県の考え方などが正確に反映しているリポートがだされたことは、小さくない第一歩といっていいだろう。
県基地対策課は、近々、この調査局レポートを県のHPにアップするそうだが、「概要」の邦訳を以下に掲載する。

日本は、多くの外交政策面で米国の重要なパートナーである。特に、中国軍の近代化に対する防衛手段から北朝鮮の脅威に対処するなど、特に安全保障上の懸念があるためである。
(日米)同盟は、約5万人の米軍兵の前方展開及び日本におけるその他の米軍の利点を促進する。同盟の核心的要素は持続するであろうが、ドナルド・トランプ大統領下での総合的な関係は、オバマ政権下での関係性とは多少異なる可能性がある。2017年1月30日、米国は正式に環太平洋連携協定(TPP)の加盟国としての(署名を)撤回した。TPPは米国経済のリバランス、アジアの安全保障上の利益及び日本の安倍晋三首相の最優先事項として、オバマ政権の政策の目玉となってきた。2017年2月に行われたトランプ大統領、安倍首相間の首脳会談で、新政権で同盟関係が悩まされるといういくつかの懸念は軽減されたが、会談では、オブザーバーが問題視する争点は解決されなかった。大統領候補者であった際、トランプ氏は日本の貿易慣行及び、安全保障上の(同盟)関係への貢献度に非難を浴びせた。

北アメリカの外では、日本は米国の三番目に大きい輸出市場であり、二番目に大きな輸入源である。日本の企業は、米国において二番目に大きい海外直接投資源であり、日本の投資家は米財務省証券の最大の外国人保有者である。日本が協定を主張する中、米国がTPPから撤退することは、公式な経済関係における次のステップを不確かなものとする。一部の人々が2017年2月の首脳会談での二国間経済対話における議論は、公式なFTA交渉につながると主張してはいるが。

数年に渡る騒動の後、日本の政治は2012年12月の選挙で安倍氏並びに自由民主党が勝利してからは比較的安定してきており、自民党のその後の国会での利益をさらに強固にした。これらの勝利は、日本の自衛隊の権限及び順応性を強めるといったような安倍氏アジェンダに係る問題の多い主導権を執行するための国内における政治的資本を安倍氏に与えた。日本政府の政治的な一連の出来事は、日本経済を活性化し、日米同盟を強めるという安倍氏アジェンダを強化させた。2016年7月の参議院選挙における自民党内閣の圧勝は、さらに安倍首相の強さを確固たるものとし、野党の弱さを示した。

政権初期、安倍首相は20世紀の前半の日本の記録を含む敏感な歴史問題についてのコメントにより、身動きが取れなかった。歴史問題には、①第二次世界大戦時に日本兵に性行為を強要された「慰安婦」、②残虐行為を塗りつぶしていると批判者が主張している日本の歴史教科書、③A 級戦犯を含む戦没者がまつられている靖国神社への日本の指導者によるお参り、などがある。韓国との関係は悪化し、同盟3国間の協力を促進したい米国当局者の関心を引いた。安倍首相は、自らの発言を抑制し、韓国政府と暫定的な和解を開始することによって信頼を得たが、手に入れた物は、現在の韓国の混乱によって危機にさらされている。そ
の他、安倍首相は、オーストラリア、インド、ロシア、そして幾つかの東南アジア諸国と強固な関係を続けている。
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.日米防衛協力は、北朝鮮のミサイルの脅威や日中の島々を巡っての対立などの安全保障に対応し、強化、発展してきた。安倍首相は、2015年、議論となっていた安全保障法案を通過させたことにより、この傾向は加速された。この法律は、同年に改定された日米防衛ガイドラインとともに、大部分の実施はまだ先であり、同盟関係を完全に変質させるという目標を実現するためには、さらなる政治的資本や努力を要する。更なる懸念は、最近日本政府が勝訴したにもかかわらず、地元民の反対により、論争の的となっている沖縄の普天間基地の移設合意の実施についてである。
連邦議会調査局レポート
2017年2月16日